頭の中を、伝えられる形にする
何をしたいのか。何を知っているのか。何を変えてはいけないのか。普段は無意識に決めていることを、言葉・数字・条件として外に出します。
- 目的を決める
- 必要な情報を渡す
- 守る条件と任せる範囲を決める
生成AIを使うときに大切なのは、難しいプロンプト技術だけではありません。自分の考えを伝え、AIの答えを理解し、確かめ、実際の仕事につなげる力です。
これは数学の公式ではなく、生成AIを仕事で使うときに必要な力を整理するためのモデルです。
AIの性能だけでなく、何を頼むか、どう確かめるか、どう使うかで成果は変わります。
何をしたいのか。何を知っているのか。何を変えてはいけないのか。普段は無意識に決めていることを、言葉・数字・条件として外に出します。
生成AIは、情報の整理、比較、説明、発想、仮説づくり、文章やコードの生成などを支援できます。足りない情報があれば、AIに質問させることもできます。
読みやすい答えと、正しい答えは同じではありません。AIの答えを理解し、現実と合っているかを確かめ、実行し、結果から次を考えます。
AIが使えるようになっても、「よく見る」「考える」「試す」「なぜを考える」という基本は変わりません。むしろAIが速く答えを出すほど、人間が結果を見極める力は大切になります。
大切なのは、AIに任せるところと、人が決めるところの境界を考えることです。
高性能な数値ソルバーでも、何を解くか、どんなモデルと条件を与えるか、結果が妥当かを考える必要があります。生成AIへの条件設定にも似たところがあります。固定する条件、変化として与える条件、複数の量の関係として与える条件を、Dirichlet・Neumann・Robin境界条件になぞらえて考えることもできます。これは理解のための比喩であり、数学的に同じという意味ではありません。
難しい仕組みを覚える必要はありません。実務では、次の3点を確認できれば、AIを使った作業の失敗をかなり減らせます。
対象のファイル、製品、顧客、モデルなどを取り違えていないか。まず「何についての作業か」をはっきりさせます。
編集や更新の途中で、対象や前提が変わっていないかを確認します。分からなくなったときは、無理に進めず確認します。
作業が終わったら、期待した結果になったかを確認します。「できた」ではなく「目的を満たしたか」を見ます。
この考え方が本当に仕事で使えるのか。性質の異なる仕事に当てはめて、AIに何を伝える必要があるか、どこまで任せてよいか、結果をどう確かめるかを確認しています。
うまく質問できないときは、自分でも問題を整理できていないことがあります。AIの答えを評価できないときは、足りない知識や確認方法が見えてきます。生成AIは、仕事を代わりにするだけでなく、自分の考えを言葉にし、考え、試し、学ぶための道具にもなります。
M&Tでは、生成AIを単なる文章作成ツールとしてではなく、調査・整理・比較・実行・確認まで含む仕事の道具として試しています。このページでは、人が何を決め、AIに何を任せ、結果をどう確かめるかという観点から、実務で得た知見を継続的に整理して公開します。
成功例だけでなく、うまくいかなかった点や、人の確認が必要だった点も含めて、できるだけ具体的に紹介していきます。